React DnDとdnd-kitの比較分析

了解しました!React DnDとdnd-kitを、カンバン風UIの作りやすさ、メンテナンスの活発さ、パフォーマンス(MAX100データのソート操作)の観点で比較します。結果がまとまり次第、お知らせします。

React DnD vs dnd-kit 比較

比較表

観点React DnDdnd-kit
カンバンUIの使いやすさ実装のしやすさ 学習コスト高め。Drag/Drop対象ごとにフック(useDrag/useDrop)やアイテム種別の定義が必要で、実装手順はやや複雑dev.toAPIの直感性 APIは強力だが抽象度が高く直感的とは言いにくいdev.to。DragSource/DropTargetやモニターなど概念の理解が必要。 ボイラープレート DndProviderでバックエンド(HTML5等)指定、useDrag/useDropに渡すオプション(アイテムタイプやコールバック)定義など設定箇所が多いwww.dhiwise.com。コード量は増えがち。 機能対応度 ドラッグ&ドロップの基本機能は網羅。リスト並べ替えや他リストへの移動も実現可能だが、位置入れ替えの制御やアニメーションは開発者側で実装する必要がある。実装のしやすさ 比較的シンプルなAPIで直感的に実装可能。dev.to記述のとおり明示的で分かりやすいフック(useDraggable/useDroppable等)を提供。初期設定もDndContextでラップする程度で容易。 APIの直感性 モダンな設計でAPIは理解しやすい。センサーやコリジョン検出など概念はあるが整理されており、Hooksベースで扱いやすいdev.toボイラープレート 必要最低限。DndContextで囲み、SortableContextとuseSortableフックでドラッグ可能要素を定義すれば動作するため、追加コードは少ないdev.to。アイテムの型定義も不要で、状態管理もシンプル。 機能対応度 複数リストのソートやアイテム移動など、カンバンに必要な機能を公式サポート。複数コンテナ・ネスト対応など幅広いユースケースに対応しているqiita.com。並べ替え用のアルゴリズムや自動スクロール等も用意されており、実装負担が少ない。
メンテナンスの活発さGitHub更新頻度 過去に確立されたライブラリだが最近は更新頻度が低下。最新の公式リリースは2022年4月のv16.0.0でgithub.com、npm公開も「3年前」に留まるwww.npmjs.com。以降大きな機能追加はなく停滞気味。 Issue/PR対応 オープンIssueが数多く存在。パフォーマンス問題の指摘など重大Issueも未解決のまま放置されているケースがあるgithub.com。メンテナの対応はやや鈍化しており、コミュニティからのPRも進みづらい状況。 開発の継続性 大きなアップデートは途絶えており、実質メンテナンスモード。開発元から今後のロードマップは示されておらず、更新停止状態に近いqiita.com。安定はしているものの、将来的な改良や修正の継続性には不安がある。GitHub更新頻度 比較的活発。2023年以降もアップデートが続き、最新バージョン(v6.3系)も数か月前にリリース済www.npmjs.com。一時Issue対応の停滞が指摘されたが、現在作者が大規模リファクタリングに取り組んでおり開発は継続中github.comIssue/PR対応 Issue数は多いものの、作者が状況を把握しフォーラムで回答するなどコミュニケーションが取られているgithub.comgithub.com。コミュニティも活発で、バグ報告や機能提案に対しディスカッションやPRが行われている。対応が追いついていない部分もあるが改善の意思が示されている。 開発の継続性 作者によるリファクタリング版の準備が進められており、不要な再レンダ削減など主要課題の解決が計画されているgithub.com。リファクタ後もReact以外の対応を視野に入れるなど発展が見込め、今後も継続的なアップデートに期待できるqiita.com
パフォーマンス描画のスムーズさ ブラウザのネイティブHTML5 DnDを利用するため、ドラッグ中はDOM操作が最小限に抑えられ比較的スムーズ。100件程度の項目数であれば基本的なドラッグ操作でカクつくことは少ない。しかしライブラリ自体はドラッグ中の要素の自動並べ替えを提供しないため、視覚的なスムーズさ(アイテムの追従アニメーション)は標準では実現されない。 不要な再レンダリング 多数のドラッグ対象がある場合、React状態管理による再レンダリング負荷が問題となる可能性あり。実際、全てのドラッグ可能要素がドラッグのたび再描画されパフォーマンスを阻害する不具合報告があるgithub.com。現在もIssueが残存しており、最適化が十分でない部分がある。 DOM操作の最適化 ネイティブのDragイベントを用いるため、ドラッグ中のDOM再配置は行わず(ドラッグプレビューは別レイヤーで処理)、ドロップ時にDOM更新する方式。大量のDOM要素があってもドラッグ中のレイアウト計算負荷は小さい。一方でこの方式ではドラッグ中のレイアウト変化がなく、ユーザー体験面では静的に見える。描画のスムーズさ ドラッグ中に他の項目が滑らかに動いて隙間を埋めるアニメーションがあり、ユーザー体験が良好qiita.com。CSSトランスフォームによるGPU支援アニメーションで描画されるため、100件程度の並べ替えでも基本的にフレームレートは維持される。 不要な再レンダリング 現行バージョンではドラッグ操作により全てのドラッグ対象コンポーネントが再レンダリングされる現象が確認されておりgithub.com、項目数が多いと処理負荷となり得る。ただし作者も認識しており次期大型アップデートでこの無駄な再描画削減が最優先課題として挙げられているgithub.comDOM操作の最適化 要素の並べ替えを実際のDOMノード移動ではなく位置計算とCSS変換で表現しているため、レイアウトスラスラと(大きなレイアウト再計算なしに)見た目を更新する。モダンなReactの最適化も取り入れて高パフォーマンスを志向した設計npm-compare.com。ドラッグ中もDOMを書き換えず、ブラウザ描画最適化が効いている。

各ライブラリのメリット・デメリット

React DnDのメリット・デメリット

  • メリット: 実績のある老舗ライブラリで学習資料や利用例が豊富。HTML5のネイティブD&D機能を活用でき、デスクトップファイルのドラッグやウィンドウ間ドラッグにも対応可能qiita.com。柔軟性が高く高度なドラッグ&ドロップシナリオ(ネスト構造やカスタムプレビュー等)にも対応できる。APIが安定しており既存プロジェクトで長年使用されてきた信頼性。
  • デメリット: APIの抽象度が高く習得が難しいdev.to上、実装に多くのボイラープレートコードが必要。最近は開発の停滞によりバグ修正や機能改善が期待しづらいwww.npmjs.com。リスト並べ替えなどリッチなUIを構築する際は開発者側で追加実装が必要となり、迅速な開発には不向きな場合がある。パフォーマンス面でも再レンダリングの問題が指摘されておりgithub.com、大量要素のドラッグ時に最適化が十分でない可能性がある。

dnd-kitのメリット・デメリット

  • メリット: モダンで直感的なAPIにより実装が容易dev.to。外部依存がなく軽量で、コアライブラリは約10KBと省容量qiita.com。ドラッグ中のアニメーションや自動レイアウト補正などUI体験が優れており、カンバンのような並べ替え機能を少ないコードで実装可能。アクセシビリティ(キーボード操作)やモバイル対応なども考慮された設計dev.to。開発も活発で今後の機能拡張や性能改善が見込める。
  • デメリット: メイン開発者主導のプロジェクトであるため、Issue対応に時間がかかる場合があり大規模コミュニティプロジェクトに比べると開発体制に不安もあるgithub.com。現時点では全アイテム再描画問題などパフォーマンス上の課題が一部残っているgithub.com(次期バージョンでの改善予定)。HTML5のネイティブDragイベントを利用していないため、ブラウザ外へのドラッグ&ドロップなどネイティブ機能との連携はできないseniyas.medium.com。新しいライブラリゆえにAPI変更の可能性もあり、将来のメジャーアップデート時には対応が必要になる場合がある。