YouTubeチャンネルの「大学」名乗りに関する法的リスク

1 「○○大学」というチャンネル名は法的にグレー

規制根拠ポイント罰則
学校教育法135条①大学など**学校教育法1条の「学校」**ではない「教育施設」は、「学校の名称または大学院の名称」を 用いてはならないhouritsushoku.comnote.com同146条で10万円以下の罰金lawzilla.jpwww.pref.miyagi.jp
  • 「教育施設」に当たるかがカギ

  • 物理校舎を持ち、授業料を取る塾・スクール → 135条の直接射程に入りやすい。

  • YouTubeだけで無料コンテンツを流すチャンネル → 行政も「教育施設」とは見なしにくく、過去に摘発例はほぼ無し。

  • とはいえ、有料オンライン講座や学位風のディプロマを発行し始めれば“教育施設らしさ”が増し、リスクが跳ね上がる。

  • 「大学校」はセーフ

  • 「大学校」という語は法的に制限がないため、防衛大学校・警察大学校のほか民間の「○○大学校」も多数存在する。ja.wikipedia.org

2 「学長」を名乗ること自体は違法ではないが…

  • タイトル自体を禁じる条文はない

  • ただし、有料サービス等で「学長=公認大学のトップ」と誤認させれば

  • 景品表示法(優良誤認)

  • 不正競争防止法(出所混同)

  • 消費者契約法(情報提供義務)
    に抵触するリスクが出る。

  • 行政処分よりも クレーム・炎上・取引停止 の reputational risk の方が現実的に大きい。

3 実務で気をつけたい3つのポイント

  • 「私たちは学校教育法上の大学ではありません」と但し書きを置く

  • サイト概要欄や法人登記の商号からも分かる形で。

  • 学位・資格を連想させる呼称は避ける

  • “YouTube学士”などと書いた瞬間に135条・景表法リスク急上昇。

  • 名称を商標登録する場合は拒絶の可能性を考慮

  • 「大学」を含む商標は、実在大学と誤認される恐れがあるとして拒絶・無効審判になった事例がある。www.komatsulaw.com

4 結論とリスク評価

シナリオ行政罰(135条/146条)民事・ブランドリスク実務対応
無料動画だけ低 ※教育施設性が薄い中 炎上や苦情はあり得る但し書き+「大学校」等への呼称変更を検討
有料オンライン講座・修了証発行中~高呼称変更か、各種学校・専修学校などの認可取得も視野
校舎を構え塾事業大学名称の使用は避ける/正式な学校法人化

要するに
「YouTube大学」は現状「見逃されている」グレーゾーン。
ただし収益形態や事業拡大によっては、学校教育法135条違反・消費者法違反として突っ込まれる余地がある。呼称を「大学校」や「アカデミー」に変える、明確な但し書きを入れるなど、先回りのリスクコントロールが無難だろう。FaviconFaviconFaviconFaviconFaviconSources